Tonakaiのmemo memo

日々の備忘録です・・・。

米子滞在日記2

 東洋のモンサンミッシェルである。

 夜明けまでは雨が降っていたようだが、朝食を食べていたら七時頃には止んでいた。昨日のテレビの天気予報では、週末は雨がちになるとやっていたので、あまり雨に降られずに宿に着くことを本日の目的とする。

 道の駅から大根島の写真を撮り、大根島まで走る。大根島に入った時には、まだ天気が良くなかったので、名所は回らずに八束支所辺りの小高くなっているところを通過して、境港に向かうことにした。
 丘の頂点に建っている建物が見えたので、近くまで行こうと道を曲がったが、一つ早く曲がってしまったようでコンクリ舗装の急な坂が待っていた。休み休み自転車を押しながら登ったが、最後は階段になっていた。建物はグリーンステラという植物園で開園時刻前であった。大根島には由志園や中国牡丹園など幾つも植物鑑賞の施設があるが、よく競合して共倒れにならないなぁと感心する。
 八束支所には大根島と江島の地名の由来の看板が有り、大根島はたこ島から転じて現在の地名になったということだ。溶岩トンネルにも行ってみようとしたが道を間違えたようでたどり着けなかった。

 境港水木しげる記念館を過ぎたところで、お魚ロードの像を発見する。前回来たときと一昨日も同じ道を通ったはずだが、二回とも夕暮れ時に急いでいたので目に入ってなかったようだ。像の出来に感心しながら撮影し、残りの像も探して回ると海とくらしの資料館に着いていた。
 境港の市場近くにある食事処かいがんの位置を確認に行った後、資料館でマンボウのちょぼりんと久しぶりの再会を果たした。
 プラント5へ行くと、やはり紅ズワイガニが安かったので2匹買う。サービスの氷を二袋蟹にあてがい、その後は宿まで懸命に自転車を漕いだ。

 宿に着いたのは正午くらいだったので、蟹と荷物を預けて、もう少し散策へ向かう。天気が持ちそうだったので大山を目指したが、途中空腹と疲労で苦しくなり、宿に戻ることにした。考えてみれば朝食後は飴と水分のみであった。
 宿に戻る最中、空気入れが無くなっていることに気付き、拾いに戻った。
 蟹は足を畳んだ状態で端から端まで38センチくらい、甲羅は11センチくらいの立派なものであった。

 山陰に来ると毎回、中海に浮かぶ大根島の美しさに見とれる。私は勝手に東洋のモンサンミッシェルだと思っている。実際は大根島の方が広く、建築物の主張も小さいが、水面に立ち上がる容貌を、まったく見たことがない人に説明するのであれば悪くないであろうと思う。
 しかし、比喩を用いて説明することは、実物を見る前に予断を持たせてしまうことになりはしないかと思う。初めて大根島を見たとき、私の説明を聞いた彼はモンサンミッシェルというフィルター越しに大根島を見るのではないか。更に言えば説明する私ですら、似たようなものとして分類する中で、大根島の実像を見失っているような気がする。
 物事に共通点を見つけることは楽しいが、常に自覚的でなくてはと思う。

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